みなみ北海道とは

「みなみ北海道」は、渡島半島と奥尻島を含めた北海道の南西部にあたります。半島の中央部には標高1000m級の山々が連なり、活火山である駒ケ岳や恵山があることから、温泉資源も豊富です。また、半島をぐるりと取り囲むように、東側には内浦湾(噴火湾)と太平洋、西側は日本海、南側に津軽海峡と、三方を海に囲まれ、自然豊かな地域でもあります。夏は海からの高温多湿な空気が流れ込み大雨が降りやすく、冬は、日本海沿岸部の北西の季節風が強く、山間部の降雪量が多いことを除いては、北海道の中でも、寒暖差の少ない比較的温暖な気候です。

そうした気候風土もあり、みなみ北海道の18市町は、農・水・畜産業が偏ることなく、それぞれの個性を持ち育まれています。豊かな自然の恩恵を受けた、滋味深い産物の宝庫なのです。
みなみ北海道の自然の中を歩き、調べ、そして書き綴りながら、この土地には「日本初」「北海道初」という事柄が多いことを改めて知りました。そして、土地の豊かな素材を「収穫する」、「加工する」ことに、“誇り”を持った多くの仕事をうかがい知ることができました。それはきっと、みなみ北海道が、この広大な北海道の地の“玄関口”だったからなのだと思います。(ちょっと自慢、いいえ、かなり自慢です!)
[2013年12月 初筆]

オーナメント
Minami Hokkaido Map みなみ北海道の地図
オーナメント

函館市 [はこだてし]

取材記事: 梶原昆布店 | 道南伝統食品協同組合 | 石黒商店 | だるま食品本舗 | 八島商店 | おたふく堂

函館市は、日本最初の国際貿易港として、横浜・長崎とともに開かれ、早くから諸外国の文化と交わりを持った港町です。
今でも、国内外から多くの方が訪れる観光都市として有名で、その地形の成せる山からの夜景は美しく、素晴らしい観光資源となっています。縄文時代の歴史を語る「大船遺跡」や「“国宝”中空土偶」、幕末期の城塞「五稜郭」などの史跡の他、西洋の文化文明の名残りを残す「トラピスチヌ修道院」や、多くの教会が立ち並ぶ元町地区、そしてベイエリアがある旧市街地、西部地区等々と観光スポットは多彩です。
産業では水産が盛んで、昔から地元の市場であった駅前の朝市は、今では観光客で賑わっています。なかでも朝採りの鮮度よい「いか」や生産量と品質に定評のある「昆布」は、代表的な海産物で、加工品を扱う業者や商店も数多くある主要な基幹産業となっています。平成16年に、近隣4町村(戸井町・恵山町・椴法華村・南茅部町)と合併し、さらに漁場が拡がりました。あまり知られていませんが、中心部を離れた地区では農作物も栽培されており、「馬鈴薯」の作付け面積が広い地域でもあります。

北斗市 [ほくとし]

隣接する上磯町と大野町が合併し、平成18年に北斗市となりました。
ポプラ並木と赤レンガの風景が西洋を感じさせる「トラピスト修道院」や、桜も美しい「松前藩戸切地陣屋跡」などの観光スポットの他、最近では、津軽海峡から大沼・駒ケ岳を一望できる「きじひき高原」も人気です。
“北海道水田発祥の地”である広大な大野平野は、稲作を中心にした農業が盛んな地区で、ここ数年格段においしさを増した道産米「ふっくりんこ」や「きたくりん」など、みなみ北海道で採れる作物の研究にあたっている農業試験場もこの地域にあります。地域で作られる野菜の種類は多く、なかでも夏の時期は、品種の豊富な「トマト」などが人気の産物です。また、長ネギの産地でもあることから、最近は「リーキ(西洋ねぎ)」などの試験栽培も行なわれています。函館山を真向かいに眺望する旧上磯地区の海域では「ホッキ」や「ホタテ」の漁が盛んで、「ホッキ」は、全国でも珍しい“突き採り漁業”という漁法で採られています。

松前町 [まつまえちょう]

取材記事: 龍野屋 |よこはま荘 | 滝川鮮魚店

先住民族アイヌの地であると言われ、その後、蝦夷地を支配した松前藩による海の交易がもたらした町の歴史は古く、日本最北の城下町が松前町です。道内でも珍しい寺院や神社が立ち並ぶ寺町があり、松前公園の周辺をぐるりと囲むように咲き誇る250種一万本の桜、そして夏にはアジサイの咲く“北海道の鎌倉”とも言われています。
北海道の最南端にある「白神岬」は、ブラキストン線(津軽海峡線)と呼ばれる動植物の分布境界線に位置することから、渡り鳥の飛来ルートになっており、松前小島、渡島大島の2つの離島は、ともに貴重な野鳥が多く繁殖していると言われています。
そうした自然環境の中、春は「ウニ」や「ホッケ」、夏になると「スルメイカ」や「アワビ」、秋には「本マグロ」に「子持ちホッケ」、そして冬は「ヤリイカ」、「真ダラ」と、松前沖で採れる海産物は多彩です。また、風味豊かな「岩海苔」も、人気の特産品です。なかでも「本マグロ」は、昭和10年に書かれた『北海道漁業志稿』に「鮪は各地に産すといえども、其重(そのおも)なる産地は渡島国沿海なり」とあり、今も昔も変わらずに、マグロの好漁場として知られています。

福島町 [ふくしまちょう]

取材記事: 福島町黒米生産会

北が秀峰大千軒岳、南側は津軽海峡に面する福島町は、世界最大級の海底トンネルの北海道側の基地となったことでも知られており、町内には「青函トンネル記念館」があります。また“千代の山”そして“千代の富士”の二大横綱を輩出した町であることでも有名で、“海峡と横綱の里”というキャッチフレーズが付いているほどです。毎年、九重部屋の夏合宿が行なわれており、町内では「女相撲」などのイベントもある、相撲文化が根付いている町です。
江戸時代には砂金採取の場であったという大千軒岳には、蝦夷キリシタン殉教の地の十字架があり、美しい高山植物の花畑が続く、見晴らしのいい景勝地となっています。
その千軒岳の麓で栽培される「そば」や「黒米」などは、地元で評判を呼び、人気の特産物となっています。8月下旬から9月になると白く可憐な花を咲かせるそば畑は美しい光景です。水産業では、「スルメ」の加工が全国一の生産高を誇っています。

知内町 [しりうちちょう]

開湯800年の歴史が、日本最古と言われる「知内温泉」が有名な知内町です。演歌の大御所・北島三郎氏の出身地としても知られています。
昭和58年の発掘調査で、一万四千年前の日本最古といわれている、旧石器時代の“墓”が発見され、出土した玉や垂飾は国の重要文化財に指定されています。小谷石という地区から始まる沿岸には、長い年月が作り出した奇岩が多数あり、道南の秘境とも言われています。農水産業ともに盛んで、全国一の生産と品質を誇る知内町の「ニラ」は、市場でもブランド化するほどの人気があり、水産業では養殖の「牡蠣」の有名です。他にも、肉厚で身の締まりがいい「マコガレイ」も、刺身用の高級カレイとして全国に流通されています。ニラ以外にも「ホウレン草」や「トマト」などが栽培される農業も盛んな町です。

木古内町 [きこないちょう]

平成27年に北海道新幹線開通した折には、北海道側で最初の駅となるのが木古内町です。
冬の厳寒期に、津軽海峡の荒波の中、ご神体を清め、一年の豊漁豊作などを祈願する“寒中みそぎ”は、天保2年に始まり180年以上もの歴史を誇る伝統ある町の大祭です。
江戸幕府の初期軍艦“咸臨丸”の終焉の地とされる「サラキ岬」には、船のモニュメントやオランダ船であった咸臨丸にちなんだチューリップで彩られるドライブスポットとなっています。
町の南側は津軽海峡に面し、北部は山間の地域であることから、水産・畜産などが盛んで、「ホタテ」の養殖や、風味豊かな海藻「ひじき」が採れる漁場でもあります。畜産にも力を入れており、上質な赤身で評価の高い「はこだて和牛」の産地としても知られています。

七飯町 [ななえちょう]

取材記事: 大沼ガロハーブガーデン | 福田農園

函館の開港に伴って明治時代に、西洋農業の試験場が設立された七飯町は、西洋りんご栽培の発祥の地でもあり、今も道南で有数の農業地帯として、野菜や果物などが多彩に収穫されています。
七飯町内には、北海道のリゾート発祥地と言われる「大沼」と呼ばれるエリアがあります。“大沼”、“小沼”、”じゅんさい沼”の3つの湖と、活火山「駒ケ岳」があり、それらを眺める、新日本三景「大沼国定公園」の風景があります。
自然を満喫できる公園周辺は、函館観光と並んで人気のスポットで、カヌーやフィッシング、サイクリングにゴルフ、キャンプ、冬期間はスキーやクロスカントリーなどのウィンタースポーツも楽しめるエリアです。
ミズナラを主体とする広葉樹の拡がる駒ケ岳の麓では、酪農業や畜産業が盛んで、ホルスタイン種の「大沼牛」や一代交雑種「黒部和牛」の他、チーズやアイスクリームなどの加工品なども多く作られています。
七飯町の中心部から大沼エリアへ続く「赤松街道」は、明治9年に移植された赤松が今も街道沿いを彩り、昭和61年には“日本の道百選”に選ばれています。

鹿部町 [しかべちょう]

およそ3万年以上前に、溶岩や火砕流を噴出して以来、噴火を繰り返しながら今の姿になったといわれる駒ヶ岳。その麓にある鹿部町は、町内に30カ所も泉源がある温泉リゾート地です。
なかでも大正13年に発見されたという「しかべ間歇泉(かんけつせん)」は、全国でも珍しく、今では公園として楽しむことができる観光スポットになっています。水芭蕉やスイセンの花々が咲く、町内の「ひょうたん沼公園」からも、駒ヶ岳の眺望を眺めることができ、地元の漁師が好むと評判の“鹿部の海から眺める駒ケ岳”もまた絶景と言われています
町内にはフィッシンブポイントも多く、ゴルフやサッカー、野球などが楽しめるリゾート施設も豊富です。高台の地域には別荘地があり、移住を促進している地域でもあります。
漁業が基幹産業で、「スケトウダラ」、そして「タコ」や「カレイ」、「ホッケ」、「ウニ」など豊富に水揚げされています。なかでも、スケトウダラを原料とした「タラコ」は評判の名産品で、加工業者が数多くあります。

森町 [もりまち]

取材記事: みよい農園 | 藤田水産

渡島半島の中央部に位置する町で、内浦湾に面した地区では漁業が基幹産業となっています。
「スケトウダラ」や養殖の「ホタテ」、「秋鮭」などの漁獲で知られ、水産加工業者も多くあります。
駒ケ岳の東部にあたる地区では、その火山灰層の土地で「カボチャ」や「プルーン、」、「ブルーベリー」などの、野菜や果物の栽培が行なわれています。
5月上旬から下旬まで長い期間、桜を堪能できる名所として人気の「青葉ケ丘公園」や「オニウシ公園」、秋の紅葉や清流のせせらぎも楽しめる景勝地「鳥崎渓谷」、北海道初の地熱発電所があり、温泉盆地であることでも知られる「濁川温泉郷」など、自然を生かした観光資源が魅力的な地域です。
全国の駅弁ランキングでもトップの人気を誇る「いかめし」は、森町が発祥の地です。
また、道内で唯一“ちょう”ではなく“まち”呼ぶ自治体が、森町なんだそうです。

八雲町 [やくもちょう]

取材記事: 伊藤農園 | 服部醸造 | 熊石深層水株式会社

平成17年に旧爾志郡熊石町の合併し、日本で唯一、太平洋と日本海に面する町となったのが八雲町です。
八雲という地名は、北海道開拓を志し入植した、尾張藩主徳川家が、和歌に因んで命名したと言われています。
八雲町地区は、太平洋側の内浦湾を囲むように続く浜辺からの朝日が素晴らしく、雲石スカイラインを抜けた先の、日本海側の熊石地区は、夕日が美しいことで知られています。野趣あふれる秘湯も多く、人気の噴火湾パノラマパークなど、リゾートエリアとしても人気の地域です。
ちなみに、北海道を代表する木彫りの熊は、八雲町が発祥の地だそうです。
古くから広大な乳牛牧場が点在する北海道屈指の酪農地帯である八雲地区は、チーズやアイスクリームなどの乳製品の工房が多く、ほどよいコシと粘りが特徴のもち米「風の子もち」や超大粒大豆「たまふくら」など、農作物もさまざまに収穫されています。内浦湾では「ボタンエビ」や「ホタテ」の養殖、日本海側では「スケソウダラ」や「アワビ」の養殖など、水揚げされる魚種も豊富です。“遊楽部(ユーラップ)川”に遡上する「鮭」も有名で「山漬け」などの特産品もあります。また、最近では、日本海の水深343メートルから取水されている海洋深層水の利活用が盛んです。

長万部町 [おしゃまんべちょう]

取材記事: 丸松 松浦商店

渡島半島の北部に位置する地域で、三方を山で囲まれた豪雪地帯でもあります。
明治時代から湯治場として開かれている「二股ラジウム温泉」が有名で、源泉に含まれる石灰分によって作られる巨大なドーム「石灰華」は、国内で唯一という大変めずらしいもので、天然記念物に認定されています。
また、高速道路や国道などの主要幹線道路が集中し、函館本線と室蘭本線が分岐する長万部駅であることから、函館ー札幌間をつなぐ交通の要めとなっている地域でもあります。
町民センター内にある「鉄道村」は、施設内に展示されている列車の計器などの保存品に実際に触れることができるとあって、マニアに人気のスポットとなっているそうです。
戦後の食糧難の時代に、前浜で大量に採れた毛ガニを列車で販売したことがきっかけと言われる「かにめし」は、全国的にも知られている有名な駅弁で、町内には今もかにめしを提供する飲食店が多くあります。内浦湾に接する沿岸では「毛ガニ」や「ホタテ」、「黒ホッキ」が水揚げされています。

江差町 [えさしちょう]

江戸時代に北前船による鰊(にしん)の交易で、商業・文化ともに発展した江差町。当時の問屋や蔵、商家などが残る“いにしえ街道”は繁栄の歴史を伝える風情ある通りです。地元の民謡である“江差追分”は全国的にも有名で、北海道指定の無形民俗文化財となっています。
370有余年の歴史を誇り、北海道最古の祭り「姥神大神宮渡御祭」は、優雅な神輿渡御と豪華絢爛な山車が3日間に渡り町内を練り歩く、壮大な夏の伝統行事です。
日本海に浮かぶ「かもめ島」は、伝説や逸話が多く残されており「厳島神社」や「瓶子岩」など、文化財として大切に保存されています。また、戊辰戦争の折、旧幕府海軍の軍艦「開陽丸」が江差沖で座礁沈没した歴史を伝える資料館が海沿いにあり、江差町の港に独特の風景を作り出しています。
今も昔も漁業が盛んで「イカ」や「スケトウダラ」などの漁が行なわれています。内陸部では「イチゴ」や「立茎アスパラ」の栽培でも知られています。

上ノ国町 [かみのくにちょう]

早くから和人が定住し、中世時代には館主(たてぬし)を中心に、檜山地区の統治や交易の拠点となっていた上ノ国町は、天の川の河口周辺に、30もの遺跡が残されています。なかでも、約500年前にその栄華を極めた「勝山館跡」は景観スポットしても有名で、併設した「ガイダンス施設」では、復元された館や墓のレプリカ、出土品が見学できます。また、北海道最古の民家といわれる「旧笹浪家住宅」も、日本海沿岸に残る貴重な“ニシン番屋”として、重要文化財のひとつとなっています。
農業は稲作が中心で、野菜も豊富に採れる地区です。なかでも「キヌサヤエンドウ」は、道内での一大生産地です。畜産業では、果物に牛乳やヨーグルトを配合した飼料で育てられる「養豚・フルーツポーク」の生産が有名です。
漁業も盛んで、「スルメイカ」や「ブリ」、「ヒラメ」、「カレイ」、「ホッケ」などが多彩に漁獲されています。船釣りや磯釣りなど、釣り人にも人気がある地域で、渓流では「アユ」や「ヤマメ」、「イワナ」が釣れます。

厚沢部町 [あっさぶちょう]

渡島半島の内陸部にあり、三方を山に囲まれた厚沢部町は、山や森、河川が生み出す大自然の風景がいたるところに見られます。
市街地から近い「レクの森・土橋自然観察教育林」には、ヒバやトドマツなど木々が鬱蒼とした森で、樹齢約600年の老木(通称「ヒバ爺さん」)も見事です。オートキャンプ場のある「ハチャムの森」などの自然を満喫できるエリアもあり、古くからある温泉場「鶉温泉」や「俄虫温泉」も有名です。
山麓で豊かに湧き出す水を集めて流れ出す安野呂(あんのろ)川、鶉(うずら)川、館(たて)川の3つの川が合流した厚沢部川での「アユ釣り」は夏の風物詩となっています。
肥沃な大地と豊かな水源が生み出す厚沢部町の農産物の代表は、有名な「メークイン」。でんぷん質が多く甘みの強い、その質の良さで全国的に知られています。
また、黒豆や大豆などの豆類も特産品で、豆腐や味噌、お茶などさまざまな加工品に使われ人気があります。他にも、出荷量全国一の「山ごぼう」や、赤肉で糖度が高い「さぶりメロン」など名産品が多くあります。

乙部町 [おとべちょう]

“東洋のグランドキャニオン”の異名を持つ白亜の断崖「館の岬」や、岬の形状や岩肌がマグロのように見えることからその名が付いたとされる「鮪(シビ)の岬」など、沿岸沿いに独特の景観を持つのが乙部町です。市街地には「乙部岳」があり、頂上からは内浦湾や羊蹄山まで見渡すことができます。麓の富岡地区の国有林の中には、樹齢およそ500年と言われる桂の老木があり、2本の桂が高さ7mのところで一つに結ばれていることから、縁結びの神が宿る「縁桂」と言われ、ひそかな人気散策スポットです。美人の湯として評判の「乙部温泉郷」や、国道沿いの元和台海浜公園の「海のプール」も、夏には大勢の家族連れでにぎわう観光エリアとなっています。
以前は日本料理に珍重される「食用ゆり根」の産地として日本農業賞を受賞したことでも知られていましたが、栽培に熟練を要する作物であることから、今では少数の生産者のみが伝統を受け継ぎ栽培を続けています。耕作地が少ないながらも「黒千石大豆」をはじめとする大豆栽培や「ブロッコリー」や「立茎アスパラ」「トウモロコシ」、「イチゴ」など栽培されています。水産業では、はえ縄漁による「スケトウダラ」が盛んで“釣りたらこ”として市場で高い評価を得ています。他にも「ウニ」や「アワビ」、「ナマコ」などの漁獲も盛んに行なわれています。

奥尻町 [おくしりちょう]

北海道の最西端、日本海に浮かぶ周囲84kmの離島が奥尻島。有名な鍋釣岩をはじめ、ホヤ岩、カブト岩、モッ立岩などたくさんの奇岩があり、
島の北部には「球島山」と言われる絶景のビューポイントもあります。
北海道指定文化財の「青苗砂丘遺跡」は、北方海洋民(オホーツク人)の遺跡であったとされる小刀や土師器(はじき)が発見されたことで「離れ小島ではなかった」という説もあります。
平成5年の“北海道南西沖地震”で大きな被害を受けた奥尻島には、その記録を伝える「奥尻島津波館」や復興を祈念して一般解放された「復興の森」などもあります。復興の森は、樹齢200年以上のブナの巨木や、トチノキ・ヒメアオキの立つ森林の散策コースとなっています。
初夏には島の花・ハマナスをはじめとする多彩な花々が見られ、心地よい潮風を感じながら楽しむことができます。
奥尻島は、自然の力に満ち溢れた食の宝庫と言われ、農・蓄・水産と様々に特産品が揃います。道南米の「ふっくりんこ」や「ななつぼし」なども栽培されており、漁場では、長いトゲを持つ「ムラサキウニ」が有名で、他にも小ぶりながら身が締まりのいい「アワビ」、「イカ」、「サクラマス」、「ホッケ」などが豊富に採れます。畜産業にも力を入れており「おくしり和牛」の生産や、最近では、ブドウ栽培から行なうワイン醸造でも注目を集めています。

今金町 [いまかねちょう]

渡島半島の北部に位置する今金町は、海のない地域ですが、清流日本一に選ばれた「後志利別川」が東西に渡って流れ、川沿いには肥沃な土地が広がっています。
中心部の“オランダ通り”には、町のシンボルと言われる「デ・モーレン(オランダ語で風車のこと)が建ち、春には周辺に咲くチューリップとともに、展望台からの豊かな田園風景を眺めることができます。
美しい川を意味するアイヌ語が語源の「美利河(ピリカ)」地区が町の東側にあり、広大な「ピリカ遺跡」の他、道南最大の多目的ダムや、ゴルフ、スキー、温泉やキャンプなどがオールシーズンで楽しめる「クアプラザピリカ」もあります。
稲作を中心に農産物は豊富で質がよく、「今金男爵」と言われる馬鈴薯は全国的に知られている特産物です。初夏には「男爵いも」の薄紫色の花が畑一面に広がる美しい風景が見られます。他にも「軟白長ネギ」が人気の作物で「ダイコン」や「ニンジン」等々、多彩に収穫されています。有機栽培を手がけている農家も増えています。最近では、糖質の高い「鶴の子大豆」という品種の大豆が、市場で評価を得ており、周辺の山々から流れ出る地下水と鶴の子大豆を使って製造される豆腐や油揚げなども、町内外に人気の産品となっています。

せたな町 [せたなちょう]

日本海に沈む夕日のビューポイントとしても知られているせたな町は、平成17年に瀬棚、北檜山、大成の3つの町が合併して生まれた町です。
海岸線沿いの「三本杉岩」や「親子熊岩」、「亀岩」などの奇岩や断崖絶壁が美しい景観を見せてくれます。また、日本海の強い季節風を利用した日本初の洋上風車「風海鳥(かざみどり)」もまた、せたな町独特の風景を作り出しています。
日本一険しいと言われる参道を持つ「太田神社」は、断崖絶壁に建つ道南五大霊場の一つでもあります。龍神さまがいたという伝説のある「浮島公園」には、道南八景に選ばれた「うぐい沼」があり、春には水芭蕉とヤチブキの名所として有名です。
キャンプ場や温泉施設も多く、釣りやマリンスポーツが楽しめるエリア、海水浴場などのレジャー施設も、3町の合併で多彩になりました。夏は、奥尻島の玄関口としても賑わいます。
日本海側に長い海岸線を持つせたな町は漁業も盛んで、「カレイ」や「ソイ」、「マダラ」、「ホッケ」などは、一年中漁獲されています。
有機農法への取り組みも積極的に行なわれており、“有機アイガモ農法”で作られた「ほしのゆめ」などの稲作や、全国でも珍しい放牧で育てられている「放牧黒豚」や、独自の飼育方法で質のよいブランド豚「若松ポークマン」、「サフォーク種羊肉」や「グラスフェッド羊肉」など、畜産業でも注目を集めている地域です。