王様しいたけ 福田農園

かつて、きのこの類は木に生えているものだと思っていました。その後、菌床(きんしょう)というものを作って育てることが可能だと知りました。きのこ類は、日々の食材としても身近で、あたりまえに目にしています。ところが、普通の2倍以上はあるだろうカサを持ち、かつ肉厚で風味豊かなしいたけに出会いました。大きさに伴って大味かとおもいきやとんでもありません。ぎゅっとうまみが詰まっています。姿かたちだけではない「王様しいたけ」の名にふさわしいその味に、驚かされました。作っているのは七飯町の福田農園。「菌床」で栽培しているとのこと。「菌床」という栽培方法、そして大きさと味の良さ、なにもかもが未知なこの作物のことをわくわくと想像しながら農園を訪ねました。

王様しいたけ 福田農園
王様しいたけ 福田農園
王様しいたけ 福田農園

「今もまだ試行錯誤ですよ。なにがベストかと考える日々です。大学では、栽培の基本的なところを勉強してきました。でも今は、勉強してきたことを全部否定できるような感じですよ」と福田さんは笑いながら振り返ります。
たしかに、福田農園の栽培方法は、今までの菌床栽培の工程を否定しているかのようにも感じます。そして、それは独自性のある新たなる栽培法であることに間違いはありません。が、よく考えると、むしろ原点に立ち戻っているかのように思うのです。
福田さんの話の端々で出てきた「人間の都合や理屈で・・・」という言葉が心に残りました。しいたけのみならず作物を作る過程の中で、本来必要である工程を省き、使ってはならないものを使ってきたことで、失った「味」がある気がしたのです。
「しいたけが自然界にある環境を整える」。そうひたすらに向き合ってきた福田さんは、生まれながらの“きのこ屋”としてその事に気づき、長い時間をかけて、彼らにとって“居心地のいい場所”を作ってきました。「王様しいたけ」は、そうした愛情を受けて生まれ、今もすくすくと心地よい寝床で息づいているのです。

王様しいたけ 福田農園

(取材・文/山本直美)

福田農園 | 亀田郡七飯町鶴野83 | 0138-65-5522 | http://www.k-kinoko.jp